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Yeha Noha

Wishes of Happiness and Prosperity in Melbourne

閉鎖したデニム工場 



ついに来た。いつもウェストゲート・フリーウェイから見ていたグラフィティが描かれた危なそうな建物。

到着してすぐに「中に入るのは無理だな。写真撮るなら大人数で来ないと。中にはホームレスとかドラッグディーラーとかいる可能性あるし。。。」と旦那に言われた。

でも、隣はグランドで子供達がサッカーの試合やってるし、昼間は絶対危なくないと確信していた。もし旦那が中には行かない、と言い張るなら、私は「ちょっとだけ〜」と言って一人で中に入っていくつもりだったが、ホームレスケアのボランティアの方と写真撮影のグループが既に中にいて、旦那も安心した様子。ここは、カメラマンやアマチュア映画撮影のグループが、燃えた車などの普通のスタジオで撮れないような物を撮影する時に使用する。撮影する者にとっては非常に魅力のあるところだ。


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元々は、1920年代に建てられたデニム工場。海外の労働賃金の方が安く、国内で作るデニムが高くて売れなくなり、近年廃業して建物だけがどどっ広い草むらに残された。持ち主はいるらしいが、特に厳しい管理はしていないらしく、許可なしで撮影したり、若者が夜になると(危ない?)パーティを開いているらしい。壁はグラフィティだらけ、フロアはガラスの破片やゴミがそこらじゅうに散らばっていた。


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この広い工場の横には、ボイラー室がある。撮影者もさすがにそこまで行って撮影することはないらしく、人影は全く見えない。調子ずいてすっかり興奮している旦那は、怖いもの見たさでこのボイラー室に行きたいと言い出した。私はこの辺りから恐怖心が出てきて正直かなり躊躇したのだが、またとない経験なので恐る恐る中に入っていった。


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入り口の建物には、昔のイギリス風のキングやら軍やらの絵が壁に描かれていてそれなりに楽しめる。怖いといえば老朽化した床とガラスが割れて吹き抜けになっている窓から見下ろす外界ぐらいだった。安全のための柵なんてないからしっかり周囲に気をつけて歩かないと転落する。ここでかなり足が震えてきていたのに、旦那はそこから梯子のような橋を渡って実際のボイラー室に行くと言ってきた。(出たぁ〜)



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気乗りはしなかったが、結局僅かな興奮と大きな恐怖心を抱えながら一歩一歩上っていくと、たどり着いたところは映画で見るようなこんな光景が広がっていた。



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それにしてもこの焦げた匂いと煙はどこから来るのだろう? 旦那は、「埃、埃、古いから。」と言うだけ。「いや、違うでしょ。これは埃じゃないよ。」煙が私の恐怖心を拡大させていた矢先、「この階段降りて様子見てくる」とまた変な好奇心を持ってしまった旦那。暗くて何も見えないし、階段がどの程度老朽化しているかわからないからと止めても聞かず、あっという間に行ってしまった。とり残された私は腰抜け寸前で、「あ〜、これが男女の差なんだな〜」ってまたもや思い知らされた。下の方から旦那の興奮した声が響き渡ってくる。。。

戻ってきた旦那が、「下はいい写真が撮れるぞー。絶対好きだと思うから行こうよ。」と誘ってきた。「無理、無理、無理。。。」と言い続ける私。しかし、「カメラは持ってあげるから、手ぶらで手すりに掴まりながらゆっくり降りてくればいいよ。」という誘い文句にのって結局またプルプル震えながら階段を降りていった。少し降りて階段の踊り場から見た光景には確かに興奮を覚えた。

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まるでハリウッドのSF映画の舞台のよう。少し恐怖心が和らいだ私は興奮しまくり、写真撮影を開始した。

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それにしても何だこの煙?さっきより濃くなってるような。。。まあ、この雰囲気を盛り上げてくれているから良しとしよう、とブツブツ独り言を言いながら撮影を楽しんでいると、上の写真の右手前にある階段を降りていこうとする旦那の姿。「もう、いい加減止めておきなよ〜。何だか嫌な予感するし〜。」と言っても無視、無視。降りていった。。。。しかし!
数秒後に「やばい!逃げるぞ。急げ、急げ!!」と血相変えて戻ってきた。「は〜?」

話によると、下にはトラックが置いてあり、数名が焚き火をたいていたらしい。確かにあの雰囲気では、ホームレス、アンダーワールドの危ない人たちを想像して恐怖心が込み上げるけど、それにしてもあそこまで。。あの旦那の顔は写真に撮っておくべきだった。


外に出た時は、もうぐったり。そして横目に映ったのは、ぐったりしたショッピング・カート。

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疲れ果ててお腹も空いたので、まだ帰りたくない気持ちはあったけど再度ゆっくり見回しながら工場を立ち去った。

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こんな魅力の場所が最近土地開発者の手に渡り、現在この建物を取り壊し住宅地にする話があるらしいが、建物の一部は残して欲しいという声もあるようで交渉中のようだ。残して欲しい、ボイラー室だけでも。。。



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写真を観て感動して表現して・・・ 



ビジュアル・マーチャンダイジング(VM)* の勉強をしていた時、最初の頃よく出された課題に「ネット上から、好きなショーウインドウ・ディスプレイを10点以上選んで、何故好きなのかをA4の用紙に半分以上書いてきなさい。」というのがあった。簡単そうに聞こえるが、非常に難しい。もちろん私がまずやった事はフォントを大きくすること(笑)。いざ取り掛かってみたものの1行あるいはせいぜい2行しか書けない。悩んだ挙句、構図と色に注目して事細かく分析して丁寧に書き、最後にお客様へのインパクト、みたいな感じでなんとかA4半分くらいまで埋めて提出していた。

この練習をしていると、まず自分がどういう色合いとどういうスタイルが好きなのかが見えて来る。そして、そのディスプレイのツボみたいなものが見えてくる。VMという仕事は、商品を見せられて5分から30分という限られた時間でディスプレイを作らなければならない時が結構あるので、この練習は大いに役立つのである。


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そして今、これが私の写真撮影にも役立っており、被写体を前にした時に、自分がどの部分が好きでどの部分を強調したいか大雑把ではあるけれど感じとることができる。

現在は、幾つかの写真グループに所属して毎日のように他の方の写真を見て感動し、時には琴線に触れて涙が出てきてしまったり、深層心理をつくような落ち着かない気持ちになったり、空想の世界が広がり出したり。。。基本的に何かいつもとは違う感覚を覚えたり、ハッと気づく事があるとこの練習を思い出してコメントを残すよう心がけてはいるのだが、私の乏しい語彙力で胸の中にある感動の渦を表現しきれない時も多々ある。日本語で褒める表現と言えば、綺麗です、美しいです、素敵です、素晴らしいです。あとは、柔らかい、優しい、可愛いといったところだろうか。できるだけ、それ以上の言葉で自分が感じていることを表現して、撮影者側にもどの部分に感動しているか伝えたいと思うのだけど、うまく言えないことが多い。面倒臭がり屋でコメント作業を省く日が続く時もあるが、稚拙な日本語でもこれをやっていると、新たな自分の好み、今までとは違う被写体の見方を学ぶ事ができるから、できるだけやるよう心がけたい。

一、二行でピタッと的を得たコメントをしてる方を見ると羨ましく思う。


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ところで、上の写真に写っている赤ピンクの花が、下の写真の背景の赤。雰囲気違うでしょ〜。

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ビジュアル・マーチャンダイジング(VM): 
ストア・コンセプトや売場の統一コンセプトに基づき、品揃えやウインドウ/店舗デザイン、プロモーション、陳列方法などを連動させることによって、商品の特徴を視覚的に演出していくマーチャンダイジングの手法

枯れ紫陽花とオージー 



最近、fb上で「枯れ紫陽花の森」というグループに参加した。ここでメンバー達は、枯れ紫陽花の写真を投稿して紫陽花の最期の美しさを堪能しようというわけだ。

2年前、まだ写真を始めて間も無い頃、写真グループでオリンダの石楠花ガーデンに行ったときに枯れ紫陽花を目にして、色のついた花よりも先に枯れ紫陽花の繊細な透け透けの茶色の花びらに惹かれて写真を撮りまくったのを思い出す。他にいたオージーのメンバー達は、見向きもせずに通過。そりゃそうよね、色もなければピッチピッチの新鮮なお花じゃないから。

オーストラリア人と日本人では写真の好みが全く異なる。私はそれぞれの好みがわかるから、「これは、オーストラリア人向け、これは日本人向けだなぁ〜」と分ける。オーストラリア人には、色濃くてシャープでないとうけない。だから花の写真はドリーミーなソフトフォーカス写真や淡い色なんていうのはありえず、ハイキーなんて言語道断、見向きもされない。図鑑にでも出てくるような色鮮やかな花がフレームいっぱいに写し出された写真が美しいとされる。そして、花も咲き始めから一番美しい盛りの花でないといけない。そんなちょっと疲れてきた花や、ましてや枯れた花なんて「なんで写真に撮るわけぇ〜??!」となってしまう。

なので、下の写真をオーストラリア人に見せたら恐らく非難轟々だろう(笑)厳しい批評がいっぱい来そう....。
(それでも、メルボルンの写真家の中にはこういう写真の良さがわかる方もいらっしゃいます。)


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現にうちの旦那も、私が枯れ紫陽花のグループに入ったと言ったら首を横に振って「なんで枯れているものを綺麗だと思えて写真を撮るのかわからない。。。」と、言われてしまった。いいよ、わからなくて!!

枯れかけた花や葉の繊細な線を見て美しいと思えるのは日本人特有の美的センスなのかもしれない。はっきりした四季があり、移ろいゆく季節の流れを五感を使って感じ取り、その変化に美を見出すことができる。それにしてもだ。オージーだってポートレートでは顔が皺々のご老人を撮るフォトグラファーもいるのに、何で花はありえないのだろう?


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ところで、ちょっと話はそれるが、最近私もマクロ撮影中の「風」をそのまま自然に受け入れるようになった。それでボケが生じたら、それは風が写った証拠だ。風も写真に写りたいんだよね、きっと。。。



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